久しぶりの記事更新…となった今回は「DAWソフト選びの試行錯誤」というテーマで考えてみた。昨年末は、世界的な経済不況と重なってDTM関連も新製品の発売などが遅れ、また本業の音源制作の方がなぜか?忙しくなったせいもあり、気が付いたら数ヶ月も経ってしまった。最近は、WINDOWSでDTMをやる人が増えたせいだろうか、SONAR について質問されることも多くなった。
もちろんそのほとんどは、初歩的なデバイス設定と SONAR LE の基本操作についてであるのだが、この SONAR LE は、無償版でありながら「これで試供」というより「これで十分」というくらい高機能高品質で、確実にシェアを広げている。また今のご時勢、DAWを始めようという人にとっては、本格的な音楽制作ができるソフトが無料で提供されるというのは、とても有難いものである。
WINDOWS DAWは、今後 SONARユーザーが増える可能性も十分考えられる。が…しかし、一方ネット上で、公開されている情報やサポート状況については、イマイチ不明瞭な点が多く、うまく活用するには、今のところCakewalk米国サイトのドキュメントを自分で翻訳するか、あるいは高価な攻略本を購入するしか手がない。 こうしたことも含めて考えてみると WINDOWS DAW はやっとスタートしたばかり、本当の幕開けは、まだまだ先なのかもしれない。
さて組み上がった自作PCにインストールするDAWだが、「何を選ぶ?」ということだけで、相当な時間を費やした気がする。取りあえずネット検索で調べてみるものの、どうにもこれと言った決定打がない…というより実感が沸かないので、友人や仕事仲間に聞いてみたりもする。職業柄、周囲のほとんどはProToolsという環境…みんな自宅PCにはProToolsLEを入れている。この辺りのニュアンスはかなり微妙なもので…ProToolsLEで、MIDI音源を使うのは、とても面倒な設定が待っているので…生録りが中心でもない限り、起動させる頻度は少なくなる。
昔から馴染みのLOGICは、サンプリング音源向きなのでゲーム音楽制作には欠かせないが、新しいApple LOGICはマルチメディアMacを目指しているのだろうか…インターフェースや操作性もGarageBandライクになった。一方 Cubaseは、AUDIO+MIDIグローバルスタンダードで、何かと都合がいいしWINDOWSにも対応しているというので…最初は、これにするつもりでいた。しかしそれらは、すべてMac使用時の話ばかりなので、DOSライクとなると選択肢は、やはり2つになってしまう…つまり「Cubaseか?SONARか?」ん~キーワード検索で最も多く出てくる語句だなぁ…と思いつつ…ようやく決勝戦となる。
この熱い戦いは、ここで論ずるべきテーマではないので省略させてもらうが、個人的に新しいシステムとか、統合環境とかの方に触手が伸びる性質なので、レガシーなCubaseより、新興宗教団体SONARに興味が沸いた。調べてみると親会社はYAMAHAにRolandどちらも日本の楽器メーカー、要するに Cubaseは価額にはっきりとした著作権格差を付けたソフト販売、SONARは、ハード機器のシェア拡大を計るためのディストリビューションというわけだ。加えてスタンドアロンで使うことを前提としたCubase 対 インターネットやLANを組み合わせたシステム構築を視野に入れたSONARと言った感じだろうか。
どちらのDAWも、大まかな設計思想は同じ、オーディオ+MIDI音源の編集・制作ソフトだ。オブジェクトプロセスで若干の違いがあるくらいで、GUIも良く似ている。エントリー版はかなり機能制限が付けられているので、あまりそそられないがハイエンド版は、どちらも捨てがたい高機能だ。WINDOWSで使っているのをみたことがないので何とも言えないが、Cubaseは高音質、使いやすいGUIと安定性に定評があり、拡張性も高い。VSTプラグインを使ったカスタマイズができるので、自分専用のCubase環境を作ることができる。
ただし相応のスキルとプラグインコストを要求されることは間違いない。そういう意味では、オールインワンのSONARは、豊富なプラグインがパックしてあるので、別途用意する必要はない。また64bit音質(Windowsx64系のみ)は、圧巻でかなりの低域でも輪郭がボヤけることがない。その他マスタリングツールもひと通り揃っていて、ダントツでコストパフォーマンスに秀でている。
ここまで書くともう既に、WINDOWS DAWは、ほぼSONARで決まっていることを暴露しているようなもの…後は、周囲にSONARユーザーがいないということも購入の決め手となった。(なぜなら…他のDAW環境は、いつでも借りることができるので…^^;) 何度も検討してみた結果… SONAR 8 Producer にした。
昨年末に日本語版が出るという話で販売代理店に問い合わせてみたが…あるのは前バージョンからのバージョンアップ版で、正規版は一向に出回る気配がない。やはりここでも経済不況の波か? 仕方ないので、取り合えず入手できるまで、ワングレード下のSONAR 7 Power Studio というのを試してみた。
しかしこれがどうにもNGだった。テストには…たぶんスペック不足だろう…と思って、WinVista(x86)Core2Duo1.83GHz/RAM2G を用意した。環境的には実行可能範囲のはずだったが… とにかく重い→すぐに止まる→最悪OSが落ちる…と散々な目に遭った。これなら、EDIROLにバンドルされていたSONAR 6 LE の方が機能制限はあるが外部インターフェースがなくても動くし、安定している分、いくらかマシと思えた。
SONAR8は、デジタルコンソール SONAR V-STUDIO 700 にもプリインストールされているところから、たぶん安定版だろうと考えられる。昔サーバーにRed Hot Linuxを使っていた頃、奇数番=ベータ版、偶数番=安定バージョンという暗黙の了解があったのを思い出した。「開発ってのは、未だにこのノリでやってるのか?…やっぱり8を待つしかないかな…」
それからこれは余計な話かもしれないが…かつてのRed Hotがそうであったように… もし仮に今後、SONAR9 が出るとしたら…おそらくそれは、次のメインストリームへ移行するための、暫定版とも考えられる。当然、新しい機能は付け加えられ(例えば、画像音声編集機能の強化やドルビー標準装備とか)あたかも夢のマルチDAWのようにデビューし、流れ星のように消えて行く、一夜城ソフト SONAR9 なんて呼ばれているかもしれない。DAW的には…SONAR8P で一応完結し、後はプログラムアップデートのみで、しばらく開発はないかもしれない。あるとすれば…既に述べたSONAR V-STUDIO つまりは、マルチメディア編集・制作ソフトへの移行というロードマップ… 言い換えれば、マルチコア環境への対応と64ビットシステムの構築ではないだろうか
話がだいぶ反れてしまったので本題へ戻すとして…結局…SONAR 8 日本語版が待てず、Cakewalk本家サイトからリンクを辿ってオンラインショップで英語版を購入してしまった。丁度ドルが急落したので、輸送費や関税を含めても、2万円くらい安く買えた。当然マニュアルもアクティべーションもサポートもすべて英語なので、その辺が苦手だとインストールもままならないが…SONAR7日本語版に比べ、相当安定していた。
起動も動作も英語版ならではの軽快さで、著作権警告や2バイトバグ(Copyright2007 ウ)みたいなダサいこともなくなった。それからD-Proのロゴも、Demmension Proとなっていてカッコ良かった。SONAR7インストール時に入れたD-ProLE?とも競合せず、ダブルD-Proで起動させることもできた。 またアップデートは日本語版よりも一ヶ月くらい早い。ただしインターフェースはすべて英語なので最初は、非常にわかりにくい。それでも主要な単語は、もろ業務用語なので、慣れればそれほど面倒ではない。(日本語版…と言っても全部が日本語ではないし…)

とにかくそんなわけでSONAR 8 Producer 英語版 で落ち着いた。余談ながら、この記事を書いている時点で、自作PCにSONAR6LEを、仕事用PCにSONAR8をインストールし、気が付けばすっかりSONARになってしまっていた。