DTM/DAW Project

SONAR 6 LE の使い方 (初歩的な操作)

□ タイムストレッチとループシークエンス

「タイムストレッチ」とは、一般にオーディオデータの再生速度を変えずに音データを変更したり、テンポに同期させることを指す。SONAR LE には、ループコンストラクションというループクリップを作成するツールに、この機能がある。簡単に言えば、”オーディオデータをMIDIに同期させる ”というところだろうか…。当然ことながら上位版SONARのAudioSnapやV-Vocalのような、細かい設定等はできない。

が…しかしこれはこれでまたシンプルに便利な上、結構イケてるツールで、うまく使いこなせば*1)強力なエフェクトも得られるので、少々面倒くさいけれどスキルアップして、ガンガン使い倒したい。

*1) 例としてループコンストラクションで編集したサンプルを参照
元データAは、ベリーダンスのメールリストを通して送られてきたトルコのリズム
いわゆる「打ち込み」…ベロシティもピッチも変化しない単純にステップ入力されたモノ
このデータを元に、ループコンストラクションで編集しループシーケンスしたものがBデータ

データA (元のクリップ)
データB (編集クリップ)

オーディオデータをループシーケンスさせるには、まず最初に新規オーディオトラックを作成して、ファイルメニューからデータをインポートする。既にあるトラックを使う場合は、トラック選択してからインポートする。注意する点は、大きなデータや24ビットデータを扱う場合、トラックビュー画面で予め分割しておき、ループコンストラクションで直に編集しないこと、SONAR LE 本体がいきなり落ちたりすることがある。

図では、オーディオデータをステレオでインポートしているが、パーカッション系の単体音のデータ等は、基本的にモノラルで入力した方が何かと都合が良い、モノ→ステレオ変換は、編集メニューから「トラックにバウンス」をクリックで簡単に再ステレオ化できる。

edit_img1

SONAR LE上での、タイムストレッチとループシークエンスの設定は、ループコンストラクション・ビューと呼ばれる操作画面で行う。起動するには、ウィンドウメニューの「ループコンストラクション・ビュー」ボタンをクリックするか、トラッククリップをダブルクリックする。

edit_img12

すると下図のような編集画面になる。起動直後は、既にスリップ編集モードになっているので、波形データのトリミングを行うことができる。ループコンストラクション・ビューのトリミング編集はとても簡単で、マウスカーソルを波形ウィンドウの境界辺りに移動させ、下図のように四角いカーソルに変わったら、このカーソル状態まま横へクリック&ドラッグする。

edit_img2

データの頭と末の2箇所から、四角カーソルでシャドウ部分をスライドし、トリミング範囲を指定すれば作業は完了

edit_img3

シャドウされた箇所の波形データは、カレントクリップから除外され、ハイライトで示された部分のみが再生される。

edit_img4

ループのプレビューボタンは、プロジェクトの再生とは独立しているので、プロジェクトを再生しながらカレント・ループを確認することができる。またオートプレビュー機能を有効にすると選択された箇所のみを繰り返す。

edit_img5

ループシーケンスを作成する場合は「ループグルーブクリップ」ボタンの方をクリックする。ループグルーブクリップに指定されたデータは、トラック・ビューでクリップの右端をドラッグすると、連続したクリップを自動で書き込みながらループシーケンスを作成する。再度このボタンを押すと設定解除され、元のスリップ編集モードに戻り、データは初期化される。ループ変換は、SONAR側で適切なビート数を計算し、1・2・4・8・16 拍へ自動でスナップされる。また任意でビート数を変更することもできる。

タイムストレッチを使用したい時は、その隣にある「テンポストレッチ」ボタンをクリックする。プロジェクトのテンポに合わせてタイムストレッチが行われ、オーディオデータは、ループせずにプロジェクトに同期する。生録りしたフレーズをそのまま入れたい時に便利、ただしオリジナルBPMのテンポ設定をしないと、正しく再生されない。例えば、最初にオーディオデータのテンポが110で、プロジェクトのテンポが120の場合、タイムストレッチの処理後に、表示されているオリジナルBPMのパラメーターフィールドのテンポを110に戻すことで解決する。

edit_img6

「スライス分解能」は、スライスマーカーの間隔を音符単位で自動入力する機能で、サンプルの例で挙げたように、音量の変化がほとんどないようなクリップは、この設定が特に有効となる。全音符~32分音符の指定に応じて、クリップにスライスマーカーが付く、例えば、4分音符を指定したときには、1小節あたり4個のスライスマーカーが挿入される。

ループコンストラクションには、SONARが挿入する「自動マーカー」と手入力による「手動マーカー」の2種類があり、自動マーカーは赤色、手動マーカーは紫色、で表示される。ただしACID用ループ素材をインポートしたときは、手動スライスとして扱われる。新しくマーカーを付けたい場合は、三角マーカーの並んでいる列をダブルクリックする。

検出精度(%)は、オーディオレベルを自動検出して、スライスマーカーを割り当てる機能で、感度を上げるとより細かな変化を検知し、マーカーの数も増える。

このスライスマーカーというのは、オーディオのタイミングをコントロールするために付けられているので、適切な設定をしないと、サウンドが機械的(…というかロボットみたい)になってしまうので少々厄介で面倒くさい。 必要に応じて「選択ツール」と「削除ツール」で スライスマーカーを移動または削除する。わからなくなったら一旦「マーカーの初期化」ボタンを押し、編集を取り消し、元の状態に戻してから再びマーカー編集をする。

edit_img7

オーディオのスケールは、ループコンストラクション・ビューの左端に表示されているハンドルを上下にドラッグすると、波形表示サイズを変更することができる。また右クリックメニューで表示モードも変更することができる。

「スライスへ移動」ボタンで クリップ内の選択スライスの前後へ移動し、オートプレビュー等も適宜利用しつつ、各選択スライスを編集して行く。「プレビュー・バス」は、クリップ出力先を変更することができる。エフェクトセンドで再生したい時に重宝する。

edit_img8

「ゲインエンベロープの表示/非表示」をONにすると各選択スライスごとに「ゲイン・コントロール」バーが現れる。スライスのゲイン調整を行い、音の強弱を設定する。

edit_img9

同じ要領で今度は「ピッチエンベロープの表示/非表示」をONにして「スライスピッチ・コントロール」を調整する。また必要に応じて選択スライスの「パンエンベロープ」でパン調整を行う

ただ注意する点がひとつある。ピッチ・コントロールの調整ツールは、ルートノートを含め5箇所もあり、似たようなパラメータやボタンがあって、初めはとても理解しにくいので、ここで解説しておくことにする。

「プロジェクトのキーに従う」ボタンをクリックすると、ループを自動トランスポーズして再生する。特定のタイムマーカーを入力すれば、プロジェクトの途中からピッチを変更することもできる。これらのマーカーはピッチ・マーカーと呼ばれ、設定にされているグルーブクリップのみをトランスポーズする。

「ルート・ノート」ボタンをONにし、パラメーターフィールドにクリップのキーを指定するとプロジェクトは、この情報を基にループをトランスポーズさせながら再生する。

「ピッチ(コース・チューン)」 クリップのトランスポーズ量を直接設定する。値を入力すると、半音単位で音高が上下する。プロジェクトのキーに従うボタンがオンになっていると、プロジェクト・キーに合わせた状態からの変化量になる。

例えば、クリップのキーがD調でも、曲がC調で「プロジェクトのキーに従う」ボタンがオンになっていると、クリップは、半音2つ分下がり、強制的にCのキーで再生される。ピッチの パラメーターフィールドに「-1」と入力すると、このキーから半音下がりB調になる。

「ピッチ(ファイン・チューン)」 ファインピッチフィールドでは、さらに細かいチューニングができ、微妙に音程を揺らすことができる。1半音100セントの高低音を±50セントの範囲で微調整する。

edit_img10

編集作業が終わったら、念のため「ループをWAVファイルに保存ボタン」をクリックしてデータセーブをしておく「名前を付けて保存」のダイアログが表示され、カレントループ(グルーブクリップ)はACID互換WAVファイルとして保存することができる。

edit_img11

一旦ループコンストラクションビューを閉じ、トラックビューに戻る。するとトラッククリップの形は、四角形から角丸四角形に変わっている。これはクリップがループ可能な状態を示し、右端をマウスで横へドラッグすると、長さを自由に変更できる。曲の長さや展開に応じてコピーしたり分割、削除しながらループクリップを配置すればすべて完了。

edit_img12

今回はここまで…次回は、プラグインエフェクトを使ったトラック処理を考えてみたいと思う。

<<Top | Next>>