Q-STEER : Qステア(赤外線コントロールチョロQ) |
Qステア (2006年)
HGチョロQ (1986年)
2006年9月にタカラトミーから発売されたチョロQの進化版とも言えるQステア。従来のゼンマイエンジンの代わりに超小型モーターとコナミが開発した赤外線コントロールシステムを搭載し、前進・後退・左右旋回と6方向へ自由自在にチョロQを走らせることができる。既に生産終了となってしまったものも含め、現在までにマイナーチェンジを繰り返しながら約30車種ほどがラインナップされている。また2007年11月に、電動ラジコンメーカーTAMIYA社とのコラボレーションとしてQステアのオフロード車も発売され話題を呼んだ。 TAMIYA×Qステア
しかしブームは去り、2008年10月マリオカートシリーズを最後に、ニューモデルもリリースされなくなっていった。かつての熱狂的ファンも激減し、数え切れないほどあったQステアのブログも今は、数える程になってしまった。
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その他Qステアのジオラマ画像http://artopix.net/cgi-bin/photopix.cgi
ひと昔前のブーム(たぶん1985~6年だろうか…)の頃、結構な数のチョロQを持っていた。当時売っていたチョロQコースセットには、ブラックエンジンと呼ばれるハイギヤでチューニングされた赤いワーゲンが付属で付いていて、それが欲しさに、わざわざ必要のない買い物までしたものだった。 これ以外にもいろいろ買い漁って気がつくと、前後にゼンマイエンジンを搭載している4WDものやライトチョロQと呼ばれる下部のシャーシが無いもの、今では珍しくなってしまったHG(ページ右上の写真:スカイラインGTS)やシルエットカー等も所有していた。 しばらくは捨てられずに本棚の隅にディスプレイしていたが、度重なる転居のためと”欲しい”という近所の子供や友人にあげたりして、いつしか自分の手元には、このGTS「NISMO」とトヨタ2000GTのわずかに2台が残るだけとなってしまった。 それから20年という月日が流れ…チョロQは遠い過去の思い出となっていた…そんな2006年のある日、ふと立ち寄った某おもちゃ屋の店頭でQステアを見かけた。 「チョロQのニュータイプ?」…と昔を振り返りながら、しばらくじっと眺めていた。 「赤外線コントロール?へぇ~」と言っても所詮は玩具、それほどの期待はしていなかったが、懐かしさと値段が手頃だったことが後押ししてか、試しに「赤いRX8」を購入してみた。 ハイテクチョロQの楽しさは想像以上だった。 僅かなスペースがあればどこでも走らせることができる上に、ステアリングは実車のように動く、テーブルの上は、まるで遊園地かサーキットのように思えた。 かつて電動ラジコンカーも数台持っていたが、自由に走らせる場所は限られていた。 しかもそうした遊び場も、年々少なくなり、あちらこちらに「ラジコンカー禁止」の看板が立てられるようになっていった。 そうした現況からすれば、それはまさに「夢の空間」を実現する必須アイテムとも言えるのではないだろうか
最初のうちは走らせること自体が面白くて、いろいろな障害物やコースなんかを手作りして走らせたり、友だちとレースをしたり、Qステアの「動きそのものを楽しむ」や「コントロールすることの醍醐味を味わう」…に相当ハマる。
特にラジコン経験のある人だったら、かなりの確立で買いに走るだろう。実際、筆者を含め周りにはそういう人間が多い。
しばらく遊んでいるうちに操作にも慣れてきて、だんだんスピードへの欲求も出てくる。
以前のデジQ(Qステアの前身)は、そういう点では、スピードも十分出たし、コントローラーも本格的なガンタイプだったので、ある意味(ステアリング機構を除けば)満足のいくものだった。
そこで第二段階としては、当然QステアをチューンUPすることとなる。オプションを付属したバージョンでは、ギヤ比を変えたり、モーターをパワーアップするということができるようになっている。
まずハイスピードギヤ版を即購入し、早速トライするというは当たり前の事…言うまでもない。ノーマル仕様時に比べて、速度は確かに増す、ダッシュボタンを押した場合の直線の伸びは、爽快さもある。
だが思ったほどのスピードUPの印象はない、「少し早くなったな…」というくらいが限界で、圧倒的なデジQ級程ではない。
そして次にハイスピードモーター版を購入し、ハイスピードギヤと組み合わせ、さらなるスピードUPを目指す。
「おぉっ! Jesus ! Joy of Man's Desiering / BWV147」
ようやく第三段階に至って、求めていたスピードに達する結果となる。
各オプションパーツはQステア本体に付属しているので、本体ごと購入しなければならない。ここまでを金額にすれば、1280円(ノーマルQステア)+1580円(ハイスピードギヤ付)+1580円(ハイスピードモーター付)=合計4440円也…の遊びとなる。
上の画像は自作サーキット…タカラトミーで紹介しているワンマットサーキットは「畳」という設定だが、筆者の周囲には、そういう環境がなく、また遊べる場所が「仕事場のみ」という事情もあって、すぐに片付けることができるようにロープを使用した。
コース図面を参考にしながら、直接ロープを床に透明なプラスチックテープで貼り付け、撮影用と雰囲気を盛り上げるために、赤のLEDライトを設置した。Qステア仲間の評判も良く、レースを開催すると結構な人数が集まってきた。実際にやってみると楽しいことは楽しいのだが、ウッドフローリングは、一定方向に継ぎ目があるのでライン取りも難しく、さらに各人のテクニックにバラつきがあり過ぎて、逆走・転倒・クラッシュの連続…レースとは程遠いものとなってしまった(笑)。
遊び方の別次元として「カスタマイズ」という世界がある。つまり「改造」ということなのだが、ネットでもよく見かけるオリジナルカスタマイズは、「ボディの載せ換え」や「ライト点灯仕様」のQステアにするというものが多い。 この辺りは、昔から変わらないホビークラフトの手法なので、技術的な解説は、検索をすれば、かなり詳細な情報が得られる。 まず準備段階として、「パーツ」や「道具」を揃える事は言うまでもないが、それなりの環境というか作業専用のスペースを確保することも重要である。 ただし状況が整えば即可能であるとは限らない、いろいろな試行錯誤を経て、満足のいく結果を得るには、それ相応の時間と努力が必要である。 最初は「たかがQステア如きに…」と思ったが、それが逆に趣味の世界を広げ、遊び心を満喫させる大切な要素であることは否めない。気がつけばデスクトップ周辺は、仕事そっちのけで「なんちゃって工房」と化す。こうなると「走り屋」の頃だった自分は、どこかへ行ってしまってすっかり「改造オタク」に成りきってしまっている。
ライト仕様は、以前にも「光るデジQ」というのがあったのでそれほど興味は持たなかったが、意外と簡単なので、1台に発光ダイオードを取り付けてみた。
最初は「おぉっ!!」という感もあったが…「電池の減りが早い」のと「暗い所で孤独に走らせている自分」になんとなく虚しさを覚え…まだ2~3台しか持っていなかったこともあって…別な改造へと路線変更するために元へ戻してしまった。
そこで次のステップとしていよいよ…「ボディカスタマイズプロジェクト」着手!の予定だった…が!?…ある日、改造のためと称してQ友が持って来たパーツ用の「チョロQ」を見て考え直した。
Qステアの構造は、大別すると「シャーシ」と「ボディ」の2つの部分から成る。しかしボディ供給元のチョロQは、全く構造が違っていた「シャーシ」と「ボディ」は一体型でしかも2ピース構造(上下2つに分かれる)またホイールベースとタイヤの径もQステアとは違う。
要するに「載せ換えはそんなに簡単なものではない」という高く困難な壁を乗り越えるには、リューターの達人というかモデラーの如きスキルと忍耐力が必要とされるのである。
当然、筆者には、そうした技術スキルも無ければ、経験も根性もない、また見様見真似でできるというものでもない…加えて残されたチョロQの残骸を見るに忍びない…それほどヒマはない…などなどを理由に積極的に中止した。そこで素人でもなんとかできる「カスタマイズ」と言えば、カラーカスタマイズ…要するに「塗装」や「デカール貼り」でオリジナルQステアに仕上げる方法…これなら「塗料」と「筆」それに「ピンセット」のひとつでもあれば、誰でもすぐに始められる。
『ジオラマ』という世界観は、妄想を現実へ限界まで近づけたような実存性を持っている。言い換えれば、こちら側が何かの期待感や思い込みを持っていなくても、何かを語りかけて来るような…という意味なのだが、眺めているだけで、いろいろなことを勝手に考えてしまう程、魅力的な世界である。Qステアにカラーカスタマイズを施すと、どうしても情景とか背景が欲しくなって来る。そこで…YouTubeなどを見る…本格的な『ジオラマ』でQステアを走らせるマニアっクな動画に挫けそうになりながら…ひと思案…「N~ん~N~」と唸りを上げるのはモーターの音ばかりではない。ここでも技術の壁というより絶壁が立ちはだかっている。が…そこが「なんちゃって工房」の柔軟で良いところ…デスクトップ横のプリンタと用紙に目をつけ、ペーパークラフトならと早速、展開図を考え始めるのである。
こういう場合まずは、イラストレーターなんぞを立ち上げてみるが…しばらくしてフォトショップの方が良いということに気が付く…なぜならテクスチャーのバリエーションが豊富に使える方が何かと便利なのである。取り合えず出来上がった第一作品目(写真左)の「家」は、なんともお粗末なもので、プリントした紙も上質紙だったので発色が悪く、組み立てた時の強度も足りなかった。外壁や屋根のテクスチャーもイマイチ…やり直し…ということになって、CADのサイトなどを参考にしながら設計し、プリント用紙は、フォトペーパーにした。
大切なのは、細部へこだわる前に…スケール感=車体と建物のバランス…と言ったところだろうか。単なる背景パーツと思って作り始めた紙製の家は、やがて「ペーパータウン」なる空想世界へ広がって行った。遊び空間には、心を遊ばせるための入れ物というか器が必要なのかもしれない。それからチョロQのボディは、かなりデフォルメされているので、どちらかと言えば少しコミカルな感じを重視した方がリアルさが増すように思った。完成したものは右リンクで公開している。[ペーパーハウスタウン]
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ノーマルQステアは、車体の大部分がシャーシを占め、ボディもモノコックなので、車種による重さの違いもほとんど無い、どれをとってもほぼ同性能と言っていい。ただ走り方を見ていると、微妙な違いがあることに気が付く。 例えば、リアウィングを付けているタイプは、重心がやや後ろになるのでダッシュは早いが、旋回性能が少々劣る。逆にワンボックスタイプは、リアタイヤがすべり易い等…と言ってもトップスピードに差があるわけではないので、レースの勝敗を決めるのは、やはり操縦技術やライン取りのセンス…その辺のスキル度がそのまま明暗を分ける結果になることは間違いないのだが、それはあくまでノーマル車の話。走りを追求するならチューンド改造バリバリカー…もはや外観や原型等どうでも良くなって…ボディを外しひたすら弄くり回し始めるのである。
オプションパーツのハイスピードギヤとハイスピードモーターを装備すれば、簡単にチューンナップができる。
問題は、スピードが増した分のグリップ不足と旋回性能が落ちる点の2つ
ハイスピードでのコーナリングは、スピンし易く、リアに比べもともとがグリップの弱いフロントタイヤでは、どうしてもオーバーステアになる。さらに路面状況によってはスタート時点でスピンしてしまうこともある。
特にリアに大きなウィングが付いている車種(スカイラインGTRーR34とか)は、フロントの加重が少なく、完全にコースアウトしてしまう。見た目は早そうでカッコイイが、ショートコーナーのトレースとなるとボンネットバスに負けてしまう。
科学すれば…ベクトルモーメントの力学的問題とでも言うべきか…ただパワーアップしただけでは、早く走らせることはできない
そこで次の段階では、初期型Qステアのリアタイヤに着目する。
2006年発売当初のものは、スリックのように太いがやや重い、これに比べ現行バージョンは、丸みを帯び細くなっている。またホイールも肉抜きされ、軽量化されている。この違いはノーマル車の場合に限って言えば、弱冠の機動性向上が見られる。特にダッシュボタンを押した時の加速性能は良くなる。ところがレースともなれば、ダッシュボタンは押しっ放しなので、あまり意味はない。必要とするのはステアリング性能なので、多少スピードは犠牲にしてもグリップ力が上がる方を取る。
レース仕様のレッドシャーク1号(写真一番左)…元のボディは Mazda RX8 リアウィングとサイド部分は、赤外線受信の向上も考え、カットして軽量化を図ってみた。
フロントに荷重をかけるためにエアロパーツ部分をパテで埋め、1.7~2g程重くした。
レッドシャーク2号(左)は、赤外線受信部を強引に移動し、ターボチャージャー風にボンネットの上に剥き出して載せた。
モーターはハイスピードモーター、ただしギヤはモーターのみハイギヤにして、旋回性重視にした。
全体のウェイトバランスは、F4:R6くらい…コーナリング性能は格段UP…テクニカルコースで威力を発揮する弱アンダーステアとまずまずの仕上がりになった。
Qステア赤外線解析←という記事はなんか面白かった
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2009年に入ってQステアも下火になってしまった。2006年9月発売から3年…この間にQシリーズは、いろんなものが登場した…ヘリQ…Qトレイン…ホバQ…そして今年3月のロボQ…どれも似たり寄ったりで結局のところ「赤外線コントロールで動くおもちゃ」残念なのは、Qステアワールドが意外に展開しなかったところだろうか…その原因は幾つか考えられる。確かに車種もバリェーションに乏しかったかもしれないが、一番の問題点は、余計なキャラクターモノが入ってしまったからだと勝手に決め付けている。PIXARのカーズもマリオも面白いかもしれないが…どちらも完全な幻想空間持っている。ストーリもあれば住んでる世界もある。これでは「遊び」にはならない。常に「遊び」は、自分自身が絶対的主役でなければストーリも世界も産まれないということをメーカー開発部は、考えたことがあるのだろうか?…
トイザラス等の量販店に行くと必ず常設してあるトミカタウンの峠コースやハイウェイコース。これが意外にもQステアにピッタリのサイズなのにはビックリする。
前輪タイヤのゴム部分を外し、後輪駆動だけで走らせると…なかなかどうして面白い。久しぶりにハマる。二台で競争するもこれが思ってもみないくらいエキサイトなのである。特に峠コースは下り道のところどころガードレールが切れているので、スピードを出し過ぎると崖から転落してしまう…子供たちに貸してやると大喜びでコントローラーの取り合いになる。
操作も実に簡単で、前後進行とダッシュボタンなので操縦技術なんてものは、全く必要ない。だから小さい子供から大人まで、同じ地平で対等にレースもできる。みんな夢中になってQステアを追っかけている。「遊び」は単純な方がいい、そしていつでも止めることができて、またすぐ始められるものがいい…そんなことを考えながら一日が過ぎて行った。
そして気が付けば、目の前に再びQステアが並び始める…「しょうがないな」と思いつつ…
これが「遊ぶ」ということなのかもしれないと思った。
最終更新日 2009年7月20日